サンマルクカフェに行ったの。
お昼時だから結構混んでいたけど奥の席は空いてそう。
近づくと4~5人の男の子たちが何も注文しないままタムロしている。
その奥の広いソファーには酔っ払い? 大きな体を投げ出し、眠りこけている。
だからそれ以上先に進めない雰囲気。みんな彼らを避けるように、きびすを返す。
そんなのぜんぜん気にしないわたし。
ずかずかと誰も近づかないテーブルに腰を下ろす。
昼なのに薄暗い部屋、テナーサックスの調べがなんだか真夜中のさびれたバーのような気分。
そんなところに強盗が入ってきて銃を片手に「金だしなっ!」とか叫んで、店員が慌ててレジのお金をガチャガチャやってるところへ、そいつが私を見て「よう、ネエチャン・・・」
なかなかスリリングな展開になりそうだよ
ここほんとにサンマルク?って感じ。
サンドイッチをつまみながら彼らの会話を盗み聞き。
ガラの悪い恰好で寄り添うようにひそひそ話の中身は、どこそこのドーナツがうまいとか、あそこのアップルパイサイコーとかお子ちゃまな会話につい、ほくそ笑む。
急にガバッと向かいの男が目を覚まし飛び起きた。
紺のダッフルコートを着込んだかわいらしい青年だった。
私と目が合ってバツが悪そうにスマホをいじりだした。
彼らが何か注文をしに席を立つといつの間にかランチタイム恒例のピアノライブ演奏が始まり、明るい雰囲気になった。
コーヒーを飲み終えて外に出ると街の賑わいが戻ってきた。
あの空間はなんだか夢を見ているようだった。