ゆうべは強い風が枕元の窓を叩き、隙間からはびょうびょうと薄気味悪い音を立てながら忍び込んでくる。
こんな夜は楽しいことでも考えながら寝ようと思って目をつぶったらほんとにおもしろい夢を見た。
T子さんとK男さんと3人で小さな旅に出かけた。車を運転するのはK男さん。助手席には私。
街を抜けて山を越え、わたしはいつの間にか眠ってた。
しばらくして目を覚ますと、広い海沿いの町に降りてきた。 ずいぶん長い間運転をしている彼に
疲れたでしょう。ごめんねと声をかけたが、返事は無かった。
町の中へ入っていくとひなびた温泉街のような街並みだった。
まだ夕方にもなっていなかったので、きっと夜になったらネオンがついて賑やかになるだろうねとわくわくした。
今夜の宿を探そうよとT子さんが言った。彼女は旅慣れているので当日の部屋探しも安心して任せた。
わたしは予約しないと不安で仕方ないタチなので、大丈夫かなとは思いつつ、ついていくと一軒の旅館の裏木戸から入り、各部屋の様子を見ながら玄関へ向かう。女の子たちがたくさん泊まっているこの館はとても繁盛しているようだったが、まるで木賃宿のように古びた部屋だった。
番頭さんに部屋の交渉をするT子さん。じつは後から息子が来るから4人になるのだという。彼女に子供はいないはずだが、まあ夢だからね。
二人部屋がふたつ空いているから、T子さんと息子さん、え?そうするとわたしとK男さんが同じ部屋ってこと?
大丈夫?・・・て何がさああ。。。。
そんなところで目が覚めた。まだ風はきつく吹いていたがそんなに寒い朝ではなかった。
しかし私たちあの町に何をしに行ったのかな?三人の共通点からするとますます続きは見たくなる夢だった。